マイあさラジオ_2015/12/22・内橋克人『日本経済2015年の回顧と2016年の展望』
2015年は戦後70年の節目の年、国家社会のあり方をめぐって、意見の対立が先鋭化し、歴史的転換となった年。
アベ政権下の「国家介入型新自由主義」(日本型ネオリベラリズム)が矛盾と限界を露呈。脱デフレに向けて、異次元の金融緩和と称して、通過供給量を2倍にし、物価上昇率2%を2年後に実現すると宣言したのは2013年4月、本来なら2015年4月に実現されているはずのものが、2016年度後半に先延ばしされる始末。
日銀が保有する国債は、発行残高の三割 ( 280兆円 [2015年末時点] )に達しており、今後も年80兆円のペースを続けるとしている。
政府が発行する赤字国債(財政赤字)を中央銀行(日銀)が直接引き受け、時の政権の制御下(Under Control)にある中央銀行となっており、中央銀行(日銀)の独立性を著しく毀損し、日本の国際的信用を低下させている。
GDP成長率を、民主党政権下とアベ政権下で比較すると、民主党政権下ではGDP成長率5.7%に対し、アベ政権下ではGDP成長率2.4%。各政権下での出来事は、民主党政権下では東日本大震災、アベ政権下では消費増税(5→8%)。アベ政権下では株価が上昇しているが、実態経済は停滞していることが、GDP成長率だけを見ても分かる。
一方、生活が苦しいと答えている人は、63% (2015年7月調査)に達している。家族2人以上の世帯では、預貯金ゼロが39%(約四割)。10年前と比較し、10%も増加。
日本の子供貧困率にも厳しい実態が見える。