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東洋経済『「働いても幸せになれない日本」に生きる若者 - 労働はもう日本の貧困対策を担えない - 』

東洋経済_2016/05/01『「働いても幸せになれない日本」に生きる若者
 - 労働はもう日本の貧困対策を担えない - 』
URL> http://toyokeizai.net/articles/-/115735

 盆で工場が止まる8月なんて、手取り10万円以下というひどい話になる。「寮完備」と書かれていても、実際は3DKのファミリー向けアパートに3人詰め込まれて、月5万円ぐらい天引きされる。こういうことが実質的な「失業対策」として制度化されていったんです。これが元祖「求人詐欺」ですね。

 国家が貴重な若い労働人口を、政策的にブラック企業に誘導しているようなものです。

 安倍首相にいたっては、「失業なき労働移動」というトンデモ発言まで飛び出すのだから、始末に負えません。「失業なき労働移動」なんて、「なんでもいいから、とにかく仕事をしろ」ということしか言っていない、本当に貧しい国で、独裁者がやるような政策です。

 ヨーロッパは、失業保険の給付期間が長いので、その期間にしっかりとした職業訓練を受けたり、大学に入り直したりすることができますよね。だから、産業の変化に合わせて、労働者も移動していきます。ところが日本だと、失業のリスクが高すぎるので、長期にわたって、低賃金の労働に縛り付けられてしまうんです。

 この会社は「月給19万4500円」と募集していたにもかかわらず、入社直後の研修で、「給料の中には80時間分の残業代が含まれている」ことを説明していました。これは時給換算すると、1時間当たりの時給が、ほぼ当時の最低賃金なんですよ。